2021年8月1日から2022年6月末までに、コロナ寄付プロジェクトに対してYahoo!ネット募金、トラストバンク、パブリックリソース財団にお寄せいただいたご寄付は32,104,358円に上りました。なお、ご寄付の受付は以上を持って終了し、本基金が設置されて以来のご寄付総額は408,445,140円となりましたことをご報告いたします。ご支援に心から感謝申し上げます。
第6回助成は、2021年8月1日から2022年6月末までにいただいたご寄付と、第5回助成からの繰り越し分をあわせた46,442,343円を助成原資に、医療分野、福祉・教育・子ども分野、文化・芸術・スポーツ分野、雇用喪失・生活困窮分野の4分野にわたる公募、審査を行いました。4分野合計で、総応募件数は167件、総助成件数は20件、総助成額は46,442,343円となり、助成可能額すべてを使い切った形で活用いたしました。
※ Yahoo!ネット募金、トラストバンク、パブリックリソース財団のそれぞれの管理費5%が寄付金からは控除されます。
※ 中小企業分野の助成可能額のうち5,057,570円は、雇用喪失・生活困窮分野に振替えて活用しました。
公募・審査の経緯
公募期間:4月12日(火)~5月10日(火)
書類審査:5月11日(水)~6月22日(水)
審査委員会開催日:6月22日(水)
審査委員名(五十音順):
鵜尾雅隆 特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会代表理事
片山 正夫 公益財団法人セゾン文化財団理事長
工藤 啓 認定特定非営利活動法人育て上げネット理事長/金沢工業大学客員教授
國井 修 医師 グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)戦略・投資・効果局長
渋谷 健司 医師 WHO事務局長上級顧問、英国キングス・カレッジ・ロンドン教授
千正 康裕 株式会社千正組 代表取締役/元 厚生労働省官僚
南 壮一郎 ビジョナル株式会社代表取締役社長
新田英理子 一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク 理事・事務局長
藤沢 烈 一般社団法人RCF代表理事/特定非営利活動法人新公益連盟理事・事務局長
藻谷 浩介 株式会社日本総合研究所調査部主席研究員/株式会社日本政策投資銀行地域企画部 顧問
審査結果
(1)医療分野
採択件数4件、助成総額16,364,529円
全国各地の医療機関や医療機関を支援する団体から、全10件の応募がありました。医療機関においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止・PCR検査に取り組む事業の応募のほか、各地の医療の安定的提供のための設備拡充・体制強化に対する応募が多く見られました。特に、これまでの公募と比較すると、新型コロナウイルス感染症患者への治療・院内での感染予防体制の充実をはかる事業に留まらず、それぞれの病院や団体が新型コロナウイルス感染症に対し現在必要としている事業や、ワクチンを接種することが難しい状況にある人々への対応を行う事業など、非常に多岐にわたる事業内容の応募がありました。
組織の信頼性、これまでの実績や申請事業の明確さ、緊急性などに鑑み、以下の5件を採択しました。
医療法人支葉会 もり在宅クリニック(愛知県名古屋市) HP
助成金額:¥4,093,147
コロナワクチン接種会場に行けない接種困難者に対して、訪問して接種するための体制を整え、2021年10月から名古屋市内全域で事業を行っていた。しかし、本事業では接種対象者が患者として扱われず、健康保険の適用外となることから、人件費・備品費等を入れた収支が赤字となっていた。今回の採択を通じ、訪問ワクチン接種事業を継続できること、事業への注目が高まることを期待している。
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区) HP
助成金額:¥4,093,146
医当センターの患者は妊婦や子どもなどワクチン接種を躊躇う場合が多く、更にまだワクチンを接種することができない年齢の子どもも多く通院・入院している。加えて、重症の患者や、免疫が低下している患者も多く通院・入院しており、コロナウイルス感染による症状の悪化を防ぐためにも、引き続き感染対策を万全に行うことを徹底すべく、マスク、ガウン等各種消耗品の購入を行う。
医療法人社団 まごのクリニック(兵庫県尼崎市) HP
助成金額:¥4,093,146
当院では2021年より発熱等診療検査医療機関の指定を受け、通常診療と発熱外来に医師1名ずつ専属とし、PCR検査を2千回以上、200名を超える新型コロナウイルス患者の診断を行ってきた。コロナ前と比較すると、人員体制も増員しているため、発熱等診療検査医療機関を維持するためには人件費が今後も必要であるが、PCRの院内検査点数の引き下げ等に伴い、人件費の維持や検査機の追加購入が困難となっている。本事業では、人件費へ充当することで院内体制の維持に努め、発熱外来の診療を通常診療と並行して行う体制をコロナ禍終了まで継続することを目的とする。
学校法人昭和大学 昭和大学横浜市北部病院(福島県郡山市) HP
助成金額:¥4,085,090
本事業では、新生児・小児の新型コロナウイルス感染症患者の診療を円滑化し、より多くの患者を受け入れるにあたり必要な医療材料を購入する。当院は、一部病棟を新型コロナウイルス感染症患者および疑似感染症患者に対応するための専用病床に変更して運用しており、中でも、新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児や小児の新型コロナウイルス感染症の治療にもあたっている。新生児や小児への感染対策を徹底するための設備や、スタッフの感染対策を十分に行うことで、院内感染を防ぎ、より安全に患者の治療にあたることを可能にする。
(2)福祉・教育・子ども分野
採択件数5件、助成総額10,513,659円
全国の福祉施設やNPO等から、全84件の応募がありました。今回も新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、困難度、困窮度を増す層に多種多様な形で支援を届けようとする事業申請が多くみられました。支援対象は、虐待やDV等の被害を受けている子どもたち、若年層や家族の他、外国にルーツを持つ人たち、様々な障がいを持つ人々、不登校児など、孤立を深め社会資源になかなか繋がることができていない幅広い層となっています。具体的な支援例としては、アウトリーチや訪問支援、生活支援全般、オンラインないしリアルな相談支援や居場所支援など多岐に渡っています。また特徴としては、地域で支えていく仕組みづくりや、居住支援と個別支援を掛け合わせるといった中長期的な支援につながる申請もみられました。組織の信頼性、これまでの実績に加え、受益者のニーズを確実に捉えているか、実現可能な計画になっているか、などの視点から審査を行い、以下の5件を採択しました。
特定非営利活動法人 アスイク(宮城県仙台市) HP
助成金額:¥2,218,012
本事業は、小学校高学年~20歳ぐらいまでの不登校や高校中退などによってひきこもりとなっている子どもたちを対象に、安心して過ごせる居場所を提供し、心の回復と自尊心の向上をサポートすると同時に、保護者も含めて生活支援を行うことにより、子どもたちが将来貧困に陥らないように支えることを目的としている。具体的な活動としては、子どもたちの自主性を尊重した自由な活動を中心に、社会性の習得や相互の関係構築、自己肯定感の向上などを目的としたイベント(野外活動・職業体験・宿泊体験・創作活動など)開催の他、ひきこもり状態などにあり、自力で外出が困難なケースに対してはアウトリーチを実施する。
認定特定非営利活動法人 発達わんぱく会(千葉県浦安市) HP
助成金額:¥1,881,612
本事業は、1歳半から小学校入学前までの幼児で、発達に遅れ、偏り、課題がある子どもを対象とした児童発達支援事業「こころとことばの教室こっこ」を実施することを目的とする。一人ひとりに合わせたオーダーメイドの療育(個別療育、グループ療育、「音と色の療育」「おやこっこルーム」)、保護者支援、zoomを利用したリモート支援を行う。療育以外にも、療育・発達・子育てに関する悩みを相談できる先として「問い合わせ窓口」を設置し、面談を実施する。また、教室を地域の遊び場として開放したり、親子のグループ「ふれあい幼稚園」などを実施し地域での発達支援をサポートする。
特定非営利活動法人 DV対策センター(神奈川県横浜市) HP
助成金額:¥2,218,012
本事業では、新型コロナウイルスの影響により、住居をなくした若者(多くは子どものころから暴力や暴言、支配関係の中で苦しんできた経験を持つ若者)を対象としたシェルターを開設するとともに、以下の支援を実施する。①シェルター運営②専門のカウンセラーによるカウンセリング③リレーションシップの講座の開催(平等とは、人権とは、対等な人間関係とは、なぜ働くのか、など倫理観を学ぶ)④企業や病院・介護施設と提携し、住み込みの仕事の紹介⑤住宅確保および就業・就学支援⑥行政・民間提携先などへの同行支援⑦食品提供支援など。その他子ども家庭支援センターやSSWや行政などと連携し、親元で苦しい想いをしている若者に対して、ケースごとに細やかに対応する。
新潟県フードバンク連絡協議会 (新潟県三条市) HP
助成金額:¥2,218,012
本事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により、地域の飲食店や中小企業でのアルバイト先が減少し、収入が得られなったことから、性風俗店で働くようになった女子学生や、同様にコロナ禍で収入が減り、性風俗で働くシングルマザーなどを対象に食支援と専門家相談支援を行う。食支援や生理用品やマスク等衛生用品の支援に加え、弁護士やカウンセラー等の専門家相談を無償で提供することで、頼り先、相談先の少ない学生やひとり親家庭生活困窮世帯の母子の不安や悩みを吸い上げることで、自傷・自殺や虐待防止に寄与する。
特定非営利活動法人 山口女性サポートネットワーク (山口県宇部市) HP
助成金額:¥1,978,011
本事業では、DV被害女性と子ども、居場所を失った若い女性を対象としたシェルター運営と、入所者に対する自立支援を行うことを目的とする。コロナ禍で支援を必要とする人々が増加しており、かつコロナの影響で不景気な状況のため、シェルター入所期間が長期化する傾向にある。本助成金を活用し、シェルターの拡充と老朽化しているシェルターの整備と部屋の拡充を行うとともに、入所者への自立に向けた同行支援等を行う支援員の確保を行う。
(3)文化・芸術・スポーツ分野
採択件数3件、助成総額3,092,806円
コンサートや演劇、イベントの企画・運営を担うNPOや企業など13団体から応募がありました。舞台や展覧会、演奏会等の自粛という逆風のなかで、オンラインを活用したパフォーマンスやライブの動画配信などを中心に、新たな文化・芸術・スポーツの可能性を模索するものが寄せられました。
これまでの実績や、文化・芸術・スポーツ活動の存続や再開に向けた活動になっているか、今後の社会における心と身体のゆたかさの回復・向上に貢献するか、などの視点から審査を行い、以下の団体3件を採択しました。
公益財団法人 現代人形劇センター(神奈川県川崎市) HP
助成金額:¥1,030,936
当団体のプロデュース劇団である「デフ・パペットシアター・ひとみ」による、聾の子ども達に向けた人形劇の公演事業を実施する。
聾児との関わりをコロナ下でも継続し、また未来の聾者の観客を創出するため、本事業では、聾児の親らなど有志団体と共同し、地域の中の劇場を利用した公演を企画・主催する。また、本企画の様子を記録・資料化し、ロールモデルとして情報発信することで、今後全国での聾学校や地域での取り組みの拡大と共に、障害の有無を超えたサポーター組織の運営の基盤整備に展開する。
株式会社 ヒューマンデザイン(東京都千代田区) HP
助成金額:¥1,030,935
コロナ禍でミュージカル公演を縮小し、お客様からも存続に関して心配の声をいただいていた。今回、新作「KARELU(カレル)」を打つことで、弊社の活動の勢いを取り戻し、今後の鋭意な活動をお客様へアピールしたい。また、本作は音楽座ミュージカルの稽古場がある、町田市スタジオで発表をする。町田市と文化芸術パートナーシップ協定を継続してきたが、近年は町田での大きな活動ができていなかったため、今回の取り組みを通じて地域の活性化の一助としたい。
株式会社 DreamQuest Sound(神奈川県平塚市) HP
助成金額:¥1,030,935
with コロナ下のエンターテインメントのあり方を考え、屋外施設での公演と配信に音楽ワークショップを加えたプログラムを構成。コロナ終息後はリアル巡回公演で各地の子どもたちの笑顔と、各地会館、学校、行政の方々にはコロナ終息後の会館自主事業や芸術鑑賞会プログラムとして再開できることを願い、当公演をそのショーケースとして位置づけたい。
(4)雇用喪失・生活困窮分野
採択件数8件、助成総額16,471,349円
全国のNPOや社会福祉法人等から、全60件の応募がありました。新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、雇用を失ったり、働き口が限定されたり、就労機会の減少により収入が減少するなど、生活困窮や就労困難に陥っている人々に対して、生活再建や就労支援等を行う事業が多く申請されました。また、住居を失った方を一時的にシェルターや生活支援付き住宅で受入れ、早期自立を目指す取り組みなども見られました。組織の信頼性やこれまでの実績に加え、目的の合致性、計画の妥当性・実現可能性、緊急度などの視点から審査を行い、以下の8件を採択しました。
特定非営利活動法人 コミュニティワーク研究実践センター(北海道札幌市) HP
助成金額:¥2,270,544
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、失業や減収により住まいを失った方に対し、2月間無償で、就労・生活支援付き住宅を提供し、集中的な就労支援と生活課題の整理を行い、就労による早期自立を目指す。
一般社団法人 インクルージョンネットかながわ(神奈川県鎌倉市) HP
助成金額:¥2,270,544
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて失業・減収し、生活困窮状態に陥っている世帯に対して食料支援を行い、再就職や公的制度の利用による生活再建の間の生活を支える。中には失業と同時に住居を喪失している世帯も居るため、緊急的な居場所の確保として宿泊施設の利用ができるよう支援する。
特定非営利活動法人 おかやま入居支援センター(岡山県岡山市) HP
助成金額:¥2,270,543
①就労困難なひきこもり傾向の人をシェルターで受け入れ、就職活動や転居先探しに寄り添って自立支援する
②収入が減少している世帯にアウトリーチで寄り添い制度活用を支援する
③在宅時間が増加し家庭内で虐待を受けた人をシェルターで受け入れる
④入院期間が長期化した精神障害者等を居住支援する
特定非営利活動法人 福島就労支援センター(福島県福島市) HP
助成金額:¥1,910,543
コロナウイルスの長期化を理由に雇用喪失、収入減少などで生活困窮に陥っている人々を対象としたキャリアアップ支援事業を行う。働き盛りの20代から40代の女性を対象としてパソコンの操作や技術、ITスキルをなどの指導講座、自分に合った仕事を見つけるためのキャリアカウンセリングや面接練習などのプログラムを行う。
社会福祉法人 岸和田市社会福祉協議会(大阪府岸和田市) HP
助成金額:¥1,635,544
収入や資産要件などにより公的制度である一時生活支援事業の支援対象者外となった住居喪失者などが生活再建を図ることが出来るよう、一時的な生活の場であるシェルター(民間賃貸住宅借上げ型)を提供する。
認定特定非営利活動法人 抱樸(福岡県北九州市) HP
助成金額:¥1,572,543
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて失業・減収し、生活困窮状態に陥っている世帯に対して食料支援を行い、再就職や公的制度の利用による生活再建の間の生活を支える。中には失業と同時に住居を喪失している世帯も居るため、緊急的な居場所の確保として宿泊施設の利用ができるよう支援する。
認定特定非営利活動法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(東京都豊島区) HP
助成金額:¥2,270,544
コロナ禍で失業・減収を受け、困窮状態にいるシングルマザーに、迅速な仕事の提供と、スキルアップを同時に即す就労支援を行う。当団体が行っている食料支援や、子ども食堂などの仕事につき、同じ境遇のピアサポーターとともに働きながら、地域コミュニティに繋がり、ママの自立を地域で支える仕組みをつくる。
認定特定非営利活動法人 育て上げネット(東京都立川市) HP
助成金額:¥2,270,544
コロナ禍で仕事を失った、または再就職が困難になった若者に対して、オンラインを活用したアウトリーチ、キャリアカウンセリングやトレーニング等の就労支援(ITスキルや農業等)、インターンや合同企業説明会を通じた企業等との接点を提供し、対象者の望む形での就労実現を目指す。
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